豊川祥隆

近世以降のイギリス哲学 ケアの倫理


...
1985年新潟県生まれ。2009年京都大学総合人間学部卒業。2016年京都大学大学院人間・環境学研究科修了。博士(人間・環境学)

昔から理系であったが、自然科学や数学の「正しさ」の根拠を考えていくにつれて、だんだんと科学哲学の分野に足を踏み入れていくことになった。学士、修士論文ではエルンスト・マッハの科学哲学を論じる。博士課程に入ると、マッハの思想の土台となっているイギリス経験論のうち、特にデイヴィッド・ヒュームの哲学を研究する。徹底した経験論とそこから導かれる懐疑、そして自然主義に影響を受け、最終的に博士論文『ヒューム哲学の方法論 印象と人間本性をめぐる問題系』を提出。同論文は、2017年にナカニシヤ出版から出版された。

学位取得後、京都看護大学、佛教大学、京都大学、大阪工業大学などで講義を行う。その過程で、感情をベースとしたケア論に興味をもち、ネル・ノディングスの著作を研究している。加えて、人間の感情の本性や、人間の仲間意識(家族、仲間、故郷、国を単位とする感情の由来や是非)についても強い関心を抱いている。

書籍となった博士論文のほか、『哲学をはじめよう』(ナカニシヤ出版、2014年)、『今からはじめる哲学入門』(京都大学学術出版会、2019年)のような哲学の入門書のほか、『哲学がわかる 自由意志』(岩波書店、2017年)といった翻訳書の執筆に携わっている。

メッセージ

哲学は、「きわめて頭のいい人たちの珍プレー好プレー集」だと思います。奇妙で分かりにくい主張のなかには、一流の頭脳のきらめきがつまっており、それを学ぶことは現代の私たちにとってもプラスになります。

授業ではできる限り分かりやすく、具体例を多く用いながら、進めていきます。どうぞ受講してみてください。


担当講座