ケアと共感の哲学:ネル・ノディングス『ケアリング』を中心に[共感編]

入門★★☆

※ この講座はすでに終了しており、アーカイブと資料のみのご提供となります。リアルタイムでの授業や質問の受付などはありませんのでご注意ください。

アーカイブ動画公開中

講義回数5 回

受講料9,800 円

受講者数29


内容紹介

近年、さまざまな場面、学問で「ケア」、「共感」という概念が用いられるようになりました。しかし、そもそも「ケア」とはどういう行為なのでしょうか。また、一体なぜ「共感」が重要なのでしょうか。

この講座では、おもに「ケア倫理」の創始者の一人であるネル・ノディングスの『ケアリング——倫理と道徳の教育 女性の観点から』を中心に、「ケア」とはどういう行為なのかを哲学的な観点から考えていきたいと思います。ノディングスの「ケア」概念は、一般的なルールが要求する客観性(誰にでも適用可能であること)をあえて破り、身近な人、とりわけ子どもに強くコミットするものです。私たちの感情や行為の実相に根ざしたこの「ケア」概念は、目の前の子ども、患者に関わる人たちにとって、きわめて大きな意味を持つでしょう。そのような「ケア」概念がどのような意義をもち、またいかなる問題を孕むのか、この講義を通じて考えていきたいと思います。

各回ごとに以下のテーマを設定し、毎回授業の前半でノディングスらの主張を振り返ったあと、後半では、前半の内容をふまえて、こちらが用意する問題について参加者の人たちと議論を進めていきます。皆さんの個人的経験などを踏まえた意見も大歓迎です。議論が苦手という方は聞いているだけでも構いません。

受講者にはGoogle Classroomを使って資料の配付や、質問やコメントの受付を行います。適宜利用してください。ただし、必ず回答できるとは限りませんので、その点はご了承ください。開講決定後に受講者をクラスルームへ招待します。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。一部の回に参加のご都合がつかない場合も、見逃しなく受講できます。

※アーカイブの視聴可能期間は、講座終了から1年間です。


テキスト

ノディングズ、ネル(立山善康他訳)『ケアリング——倫理と道徳の教育 女性の観点から』晃洋書房、1997年

ノディングスの議論を紹介するときには、このテキストをおもに用います。ただし、入手が容易ではないので、無理に入手してもらわなくても大丈夫です。ノディングスの他のテキストとしては、Noddings, Nel (2010) The Maternal Factor: Two Paths to Morality, University of California Pressを用います。この著作の邦訳はありませんので、この本を引用、参照する場合は、こちらで適宜日本語に訳して紹介します。

◆受講の流れ

1. お申し込み

2. マイページもしくはクラスルームからアーカイブにアクセス

3. クラスルームから資料にアクセス

◦アーカイブはお申し込み時に自動送信されるメールや本ページ下部の「授業スケジュール」からもご覧いただけます。

◦GoogleクラスルームはGoogle社が提供する学習管理アプリケーションです。クラスルームにつきましては、受講決定時に送られるメール(「Googleクラスルームにご参加ください」)をご確認下さい。資料はGoogleクラスルームにて公開しております。


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授業予定

共感編[この講座]
第1回(12/21)

二つの共感 —— シンパシーとエンパシー


第2回(1/11)

ケアの条件としての共感


第3回(2/1)(2/8)

ケアの「範囲」——海外への募金の例から考える


第4回(2/22)

なぜケア論が生じたか —— 他の学説との立ち位置


第5回(3/14)

思考の性差 ——キャロル・ギリガンの議論とともに


ケア編[共感編終了後開講予定]
第1回 「べき」から「したい」への移行
第2回 自然なケアリングと倫理的ケアリング
第3回 ケアは政策となりうるのか? —— ケアの「範囲」の拡大可能性
第4回 ケア倫理の立場から見る「トロッコ問題」
第5回 これまでのまとめ

ケア編公開しました
https://disseminer.jp/courses/24

※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

こんな人におすすめ

ケアについて哲学的に考えてみたい人
現在さまざまなかたちでケアに関わっている人、あるいは今後関わる可能性のある人
子供の教育や、医療・介護などに関わりがある人、あるいは関心がある人

講師情報

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豊川祥隆

京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
専門は18世紀イギリス哲学・ケア倫理

講師情報の詳細を見る ▶


授業スケジュール


ケアと共感の哲学:ネル・ノディングス『ケアリング』を中心に[共感編]

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