栗山はるな

哲学・倫理学


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1986年京都府生まれ。2011年京都大学農学部卒。2021年京都大学人間・環境学研究科博士課程を指導認定退学。

農学部2年生の秋、人間・環境学研究科の佐伯啓思先生の講義を通して、社会の様々な現象を通底する思考について探求する哲学・思想分野の面白さに衝撃を受ける。修士課程から人間・環境学研究科に移り本格的に哲学を学びながら、佐伯啓思、安部浩両先生の元で論文指導を受けることに。出産、育児を経て、ブランク明けの頭の働かなさに愕然とするもなんとか研究に復帰し現在博士論文執筆中。研究テーマは日本の哲学と仏教との関わりについて。特に、日本の倫理学者、和辻哲郎が仏教の縁起概念(すべての事象は関係し合っているという考え方)を倫理学という分野でどのように生かそうとしているかについて研究している。

在学中から関西国際大学、神戸女子大学で非常勤講師として思想、宗教の講義を担当している。今後は仏教的な視点から責任についてどう捉えられるかや、大学に入って合気道を始めた経験から、武道の型稽古の意味について考察していきたいと思っている。

メッセージ

人文学を学習することの利点はたくさんありますが、まずは「楽しいから」ということを一番にあげたいと思います。知らなかったことを知るというのも純粋に楽しいことですが、人類の様々な思考パターンに触れることは、日常のあたりまえな事象の解像度を上げ、自身の価値観に疑問を投げかけてくるような、他では経験できない魅力があります。そして私の担当講義で扱う「宗教」という営みももちろん、時代・国境を超えて洗練された思考・文化の蓄積として私たちの現在を問い直すパワーを持っています。日本では安価で手に入る専門書も多く、独学もある程度は可能な状況ではありますが、とはいえ学問という密林に分け入るには手ぶらではすぐに疲れてしまいます。なので、まずは「学ぶ楽しさ」を装備してもらうことで皆さんが学びの入り口に立つことができるように、そのお手伝いができる講義を心がけています。

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