自分や誰かを傷つけないためのクィア・スタディーズ入門——性に関する「当たり前」を問い直す
開講期間: 2026年10月27日 〜 2027年1月12日
隔週火曜日20:00〜21:30
難易度: 入門〜中級※ 難易度についてはこちらを参照ください。
受講者募集中
※ 事前募集期間中にお申し込み数が最低開講人数に達しなかった場合は不開講となります。
内容紹介
ですが、依然としてLGBTQ+に関してまだ多くの差別が現在進行形であり、日々多くの人が傷つけられ続けているのもまた事実です。現代日本が、強烈な異性愛規範を抱えた社会であるのも、また事実です。遅々として進まない同性婚の制度設計、アウティング(本人の了解を得ない暴露)、中傷、「彼女(彼氏)いないの?」といった異性愛前提の質問……。社会制度に関わることから、インターネットや日常にあふれる差別的な(あるいは無理解な)言葉まで、現代日本にはまだまだ多くの課題があります。胸が痛むデータですが、10代のLGBTQ+の約半数が過去一年間で自殺を考えたことがあるという調査結果もあります。
本講座が扱うクィア・スタディーズとは、多様な性を扱うための学問です。文学理論・社会学・歴史学・人類学・哲学・倫理学・心理学など、その他にも非常に多くの研究領域との関わりを持ち、また、多くの研究領域から様々なアプローチで研究されています。
クィア・スタディーズという学問領域によって、今までの様々な研究が見落としてきた視点や発想、重要な考え方が示されています。今までの研究が(無自覚に、あるいは自覚的に)抱えていた異性愛規範や性別二元論など、性にまつわることだけでなく、そこから端を発する様々な「前提」や「当たり前」を問い直すことができる学問領域でもあります。
本講座では、クィア・スタディーズの入門として、そもそもクィア・スタディーズがどのような学問であるのか、成立の過程とともに説明していきます。あわせて、様々なセクシュアル・オリエンテーション(性的指向)やジェンダー・アイデンティティなど多様な性のあり方について、また代表的な社会運動についても紹介します。クィア・スタディーズはその成り立ちからポスト構造主義と深く関わっていますので、そうしたクィア・スタディーズに関わる思想や、いくつかの代表的な著作についても解説します。
LGBTQ+といっても、その内実、歩んできた歴史は実に様々であり、またもちろん、セクシュアル・マイノリティ一人一人が、それぞれ全く異なる多様な人生を送っています。差別をなくしていくためには、良心や心がけ、優しさだけでは不十分であり、基礎的な知識が必要不可欠です。セクシュアル・マイノリティを傷つける言葉は、無理解によるものもあまりに多くあります。「自分は○○に偏見を持っているわけではないんだけど、」という前置きから偏見や侮蔑を言い放つ人は多くいます。
クィアとはなんなのか?
そもそもどのようなセクシュアル・オリエンテーションがあるのか?
今までどのような運動や議論があったのか?
こうしたことを知りたいと思う理由は、人それぞれかと思います。その知りたいという気持ちはとてもとても大事なものです。どのような理由であっても、より詳しく知りたい、知っていきたい、または改めて整理したいと思った時に、その助けとなれるような講座を目指します。
クィア(queer)という言葉は、「奇妙な」「変態」などの意味を持ち、元々セクシュアル・マイノリティに対する非常に暴力的な蔑称でした。しかし、セクシュアル・マイノリティ自身が、差別者による否定的な「意味づけ」を拒絶し、自分たちによって自分たちを定義しようと、あえて肯定的に「クィア」の言葉を選び、自ら名乗るようになりました。今では、セクシュアル・マイノリティや今までの性のあり方にそぐうことができないと考える人たちの総称として使われるようになりました。
こうした歴史や考え方もあり、クィアは「攪乱」ともよく結びつけられて語られます。クィア・スタディーズは、異性愛規範をはじめ様々な「当たり前」とされてきたものたちを「攪乱」する作用を持ちます。
「当たり前」「普通」という言葉や「そうであるべき」をおしつけてきた規範・権力によって、目を向けないようにさせられてきた「トラブル」がたくさんあります。いないことにされてきた人たちがたくさんいます。「トラブル」がないかのようにすることは、実のところさらなる「トラブル」を引き起こしているだけにすぎません。実際に「トラブル」はあるということを突きつける、そうすることでむしろうまく「トラブル」を起こし「当たり前」を「攪乱」する。あるいは、セクシュアル・マイノリティの人々がクィアという言葉を自分たちのものにしたように、規範・権力の側がおしつけてきた価値基準を「攪乱」し、問い直す。「当たり前」や「そうであるべき」を考え直すために、様々な場で、「攪乱」が必要になるのです。
「当たり前」という言葉は抑圧を引き起こし、しばしば人を傷つけます。「当たり前」をふりかざして自分や誰かを傷つけないために、「当たり前」によって傷つけられてきた自分や誰かのために。「攪乱」する方法、あるいはそのための知識を学ぶ手助けができればと思います。
各回内容
第1回 クィア・スタディーズとはなにか/なぜクィア・スタディーズを学ぶのかクィア・スタディーズとは何なのか、どのような広がりを持つのか。また、どのようにして成立したのか。クィア・スタディーズに関する基本的な知識と、クィア・スタディーズの意義について、様々な観点から示します。クィア・スタディーズに関する入門書も紹介します。
第2回 LGBTQ+に関わる様々なシンボル・多様な性
LGBTQ+に関わるシンボルは、レインボー・フラッグが有名ですが、それ以外にも実に多くのプライド・フラッグやシンボルがあります。第2回ではそうしたフラッグやシンボルとともに多様な性のあり方を紹介し、性のあり方が非常に様々であることを示します。(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックス、パンセクシュアル、アセクシュアル、アロマンティック、ジェンダー・フルイド、クエスチョニングなど)
第3回 代表的な社会運動
LGBTQ+やクィア・スタディーズに関する代表的な社会運動を紹介します。LGBTQ+に関する権利運動や、HIV/AIDSをめぐる社会運動などを扱います。それにより、今まで、あるいは今起きている抑圧や抵抗運動について考えます。
第4回 クィア・スタディーズと思想
クィア・スタディーズに大きな影響を与えたポスト構造主義やそれに応対する著作を紹介しながら、思想の観点からクィア・スタディーズの歴史を掘り下げます。あわせて、様々な研究領域の名著を紹介します。(ミシェル・フーコー『性の歴史』、ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』など)
第5回 クィア・スタディーズの基本概念
クィア・スタディーズを学ぶにあたっての基本概念をいくつか紹介します。専門用語は難しく感じるかもしれませんが、まさに目の前に生きている人々や社会、自分を知るための手助けになってくれます。(扱う概念:パフォーマティヴ、ホモソーシャル、異性愛規範など)
第6回 クィア・リーディングの手引き/様々なクィア・スタディーズを知る
クィア・スタディーズには、クィア・リーディングという手法があります。これは異性愛規範など今まで社会が前提としてきたことを前提としないことで、様々な作品の新しい可能性を読みとくものです。クィア・リーディングをはじめ、今後クィア・スタディーズをそれぞれより深く学びたいと思った時のために、第5回までの内容では扱いきれなかった様々なクィア・スタディーズについて紹介します。
※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、最低1年間視聴可能です。
◆受講の流れ◆
1. お申し込み↓
2. 開講&受講の決定
↓
3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス
◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、クラスルーム(下記)、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。また、各授業日の2日または3日前にリマインダーメールをお送りいたします。
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◦クラスルームの使い方についてはこちらをご覧ください。
◦授業のアーカイブ動画は、通常授業後48時間以内に運営から公開され、公開時にメールにて通知が届きます。
◦アーカイブ動画はマイページ内「受講状況」からご覧いただけるほか、本ページ下部の「授業スケジュール」およびクラスルームからもご覧いただけます。
◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。

授業予定
クィア・スタディーズとはなにか/なぜクィア・スタディーズを学ぶのか
第2回 2026年11月10日(火)20:00〜21:30
LGBTQ+に関わる様々なシンボル・多様な性
第3回 2026年11月24日(火)20:00〜21:30
代表的な社会運動
第4回 2026年12月8日(火)20:00〜21:30
クィア・スタディーズと思想
第5回 2026年12月22日(火)20:00〜21:30
クィア・スタディーズの基本概念
第6回 2027年1月12日(火)20:00〜21:30
クィア・リーディングの手引き/様々なクィア・スタディーズを知る
※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
こんな人におすすめ
クィア・スタディーズについて知りたい人
社会運動に関して興味がある人
「当たり前」に疑問を抱く人
講師情報

授業スケジュール
次回開催
2026年10月27日 20:00 〜 21:30
第1回 クィア・スタディーズとはなにか/なぜクィア・スタディーズを学ぶのか
参加可能人数: 無制限2026年11月10日 20:00 〜 21:30
第2回 LGBTQ+に関わる様々なシンボル・多様な性
2026年11月24日 20:00 〜 21:30
第3回 代表的な社会運動
2026年12月8日 20:00 〜 21:30
第4回 クィア・スタディーズと思想
2026年12月22日 20:00 〜 21:30
第5回 クィア・スタディーズの基本概念
2027年1月12日 20:00 〜 21:30
第6回 クィア・リーディングの手引き/様々なクィア・スタディーズを知る
自分や誰かを傷つけないためのクィア・スタディーズ入門——性に関する「当たり前」を問い直す
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