「美しさ」と「認識」からはじめる哲学入門:ソクラテスとデカルトの哲学を中心に

開講期間: 2026年5月22日 2026年7月31日

隔週金曜日20:00〜21:30

難易度: 入門※ 難易度についてはこちらを参照ください。

受講者募集中

募集期間2026年5月15日 21:00 まで

授業回数6 回

受講料12,600 円

現在の申込数0(最低開講人数: 7)


内容紹介

この講座は、哲学を学んだことのない人や、学びはじめたばかりの人のための哲学入門講座です。おもに西洋の代表的な哲学者であるソクラテスとデカルトの思想を理解することをとおして、さまざまな哲学的思想を学ぶための、そして、自分自身で哲学的に考えるための、はじめの一歩を踏み出すことを目標としています。

2000年以上前の古代ギリシャにおいて哲学が誕生してから、哲学者たちはさまざまなテーマについて思考してきました。そうしたテーマのなかでも、この講座では、第一に「美しさ」、そして第二に五感や思考によってものごとを捉える「認識」というテーマをピックアップします。

古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、孤独に思考するのではなく、だれかを相手に対話することによって、真実を追求したことで有名です。ソクラテスの弟子であるプラトンが、自分の著作のなかでソクラテスを登場させ、さまざまなテーマについて、さまざまな人物と対話するさまを描いています(ソクラテス自身は自分の思想を書きのこしませんでした)。

そうした対話の1つとして、ソクラテスは「美しさ」をテーマにしてヒッピアスという人物と対話しています。しかし、「美しさ」について哲学することなんてできるのでしょうか?

私たちは同じものを同じように美しいと感じるとはかぎりません。たとえば、同じ虫の音が、ある人にとっては美しいと感じられ、べつの人にとってはたんなる騒音と感じられるということがあるでしょう。私たちは「美しさ」について、対話によって分かり合うことなんてできるのでしょうか?

おそらく哲学を学んだことのない人は、哲学や哲学者についてもこのようなイメージをもっていらっしゃることでしょう。哲学とは、偉そうな哲学者たちが「他人には分からないような」むずかしい言葉を使って、むずかしい事柄について考えることである。だから、ソクラテスも「美しさ」についてむずかしく考えているのだろう。

しかし、ほんとうはそうではありません。たしかに、哲学者たちはむずかしい言葉を使うことも、むずかしい事柄について考えることもあります。しかし、「他人には分からないような」哲学は、もはや哲学であると言うことができないのです。

私たちはだれかと対話をすることによって、なにからなにまで分かり合えるとはかぎりません。対話をするなかで「分かり合えること」ばかりでなく「分かり合えないこと」もまた明らかになることがあります。しかし、ソクラテスのような哲学者たちは、そうした状況に直面して、「分かり合えること」の範囲を可能なかぎり広げてきたと言うことができます。

私たちは、たしかに同じ虫の音を、同じように美しいと感じるわけではありません。ソクラテスの言い方では、私たちにとって「なにが美しいのか」は異なります。しかし、「なにが美しいか」ではなく「美とはなにか」と考えてみるとどうでしょうか? つまり、私たちがまったく同じものを同じように感じないとしても、「なにかを美しいと感じる経験」のなかにはなにか共通性があると考えることもできるのです。

それは、たとえば、私たちにとって「だれを愛しているか」が異なるとしても、「だれかを愛するという経験」のなかにはなにか共通性があると考えることができるのと同じことです。

哲学のメインテーマは、古代や中世では「本当に存在するものはなにか」であったのに対して、近代では「ものごとを正しく捉えることができるのか」になったと言うことができます。

このようにテーマが変化した理由は、たとえば、「美しさ」について考えるためには、美しさを感じるときの「感じ方」についても考えなければならないからです。近代の哲学者たちは「私たちが五感や思考によってものごとを正しく捉えることができるのか」という「認識」の問題に取り組みはじめるのです。

その出発点であり、代表者でもあるのが近代フランスの哲学者ルネ・デカルトです。デカルトはこの「認識」の問題について、このように考えていきます。私たちは「さっき見ていたのは夢で、いま見ているのは現実だ」と思っているが、本当にそうなのだろうか。私たちが現実だと思っているものは、本当は夢なのではないだろうか。

おそらく、みなさんも、いちどはそんなふうに考えてみたことがあるのではないでしょうか? デカルトは、その考えを突き詰めることによって、この認識の問題を解決しようとします。そして、そうすることによって、有名な「われ思う、ゆえにわれ在り」という考えにたどり着くことになります。

この「われ思う、ゆえにわれ在り」という考えは、簡単に言い換えると、「現実か夢か疑っている自分の存在だけは本当だ」ということを意味しています。しかし、「自分」以外、たとえば、私が見ているものや考えていることは本当なのでしょうか?

デカルトはこの問いにたいして「神」という大胆な答えを導き出します。とはいえ、私たちは、その答えを鵜呑みにするのではなく、その答えが本当に正しいのかどうか、自分自身の頭で考えてみなければなりません。

この講座では、以上のようなソクラテスとデカルトの哲学を中心に、「美しさ」と「認識」というテーマにそくして、哲学の入門者にも分かるように紹介、解説します。

前半では、まず、「そもそも哲学とはなにか、哲学はどのようにはじまったのか」についてお話ししたうえで、ソクラテスとともに「美とはなにか」という問いについて考えていきます。つぎに、そのような問いにたいする答えとして、ソクラテスの「無知の知」や、その弟子プラトンのイデア論について解説します。

後半では、まず、デカルトが投げかけた「もしかしたらぜんぶ夢かもしれない」という問いについて徹底的に考えてみましょう。そして、デカルトの「われ思う、ゆえわれ在り」がなにを意味するのか、どうして重要なのかを確認したうえで、「認識」の問題にたいするデカルトの解答、具体的には「神の存在証明」や「明晰判明な認識」について解説します。

最後に、デカルト以後、どのように哲学が発展していくのかについて紹介します。具体的にはカントの批判哲学やフッサールの現象学を取り上げます。かれらは「私たちが現実だと思っているものは、私たち自身が私たちなりの仕方で作り上げているものではないか」と考えていくことになります。そのような「超越論的哲学」と呼ばれる思想について簡単に学んでみましょう。

一緒に、哲学のはじめの一歩を踏み出しましょう!

【講座の難易度や進め方について】

◦この講座は入門レベルであり、予備知識や予習は必要ありません。大学1年生向けの入門科目をベースにしています。

◦口頭または文面でご質問やご意見を受け付け、授業内で適度に時間をとって回答、応答します。どなたでも気軽にご質問いただけます。

◦この講座で取り上げる哲学書を読んでみたい方には、下記の翻訳書をオススメします。

プラトン『ソクラテスの弁明』(納富信留訳、光文社古典新訳文庫、2012年など)

ルネ・デカルト『方法序説』(山田弘明訳、ちくま学芸文庫、2010年など)


【過去の講座との関係について】
この講座は、過去におこなわれた以下の講座のうち、とくに哲学入門にふさわしい内容を抜粋したものです。内容に重複する点がありますので、すでに受講された方はご注意ください。

美からはじめる哲学入門:感性の「本質」を探る
https://disseminer.jp/courses/26

知の「正しさ」を問う:近代哲学の精髄・認識論を学ぶ
https://disseminer.jp/courses/52


※すでに上記講座を受講いただいた方が本講座を受講される場合、1講座につき2,000円のキャッシュバックを行います。詳しくは受講済み講座のクラスルームをご確認下さい(5月15日 21:00 までの申請者が対象となります)。
また本講座を受講いただいた方が、上記のアーカイブ講座をお申し込みいただいた場合も、同様のキャッシュバックを行います。詳しくは本講座の開講決定後にクラスルームよりお知らせいたします。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、最低1年間視聴可能です。


◆受講の流れ◆

1. お申し込み

2. 開講&受講の決定

3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス

◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、クラスルーム(下記)、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。また、各授業日の2日または3日前にリマインダーメールをお送りいたします。

◦講師とのやりとりや資料の配付、講座に関する運営からのお知らせ等は、Google社が提供する学習管理アプリケーション「Googleクラスルーム」から行います。クラスルームにつきましては、受講決定時に別途招待メールが届きますので、そちらからご参加ください。

◦クラスルームの使い方についてはこちらをご覧ください。

◦授業のアーカイブ動画は、通常授業後48時間以内に運営から公開され、公開時にメールにて通知が届きます。

◦アーカイブ動画はマイページ内「受講状況」からご覧いただけるほか、本ページ下部の「授業スケジュール」およびクラスルームからもご覧いただけます。

◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。

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授業予定

第1回 2026年5月22日(金)20:00〜21:30

哲学とはなにか、どのようにはじまったのか:最初の哲学者たちとソフィスト


第2回 2026年6月5日(金)20:00〜21:30

「美とはなにか」と「なにが美しいか」:ソクラテスの対話法と「無知の知」


第3回 2026年6月19日(月)(金)20:00〜21:30

なぜ「これは美しい」と思うのか:プラトンのイデア論


第4回 2026年7月3日(金)20:00〜21:30

もしかしたらぜんぶ夢かもしれない:デカルトの懐疑と「われ思う、ゆえにわれ在り」


第5回 2026年7月17日(金)20:00〜21:30

私が見ている世界とあるがままの世界:デカルトの認識論


第6回 2026年7月31日(金)20:00〜21:30

デカルト以後の哲学:超越論的哲学へ

※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

こんな人におすすめ

はじめて哲学を学びたい人、学びはじめたばかりの人
哲学を学んだことはあるが、よく分からなかった人
常識にとらわれている人、不信感をもっている人
自分の力でものごとについて考えられるようになりたい人

講師情報

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峯尾幸之介

哲学・美学——特にミュンヘン現象学派のモーリッツ・ガイガーを中心とする現象学と現象学的美学

講師情報の詳細を見る ▶


授業スケジュール

  • 次回開催

    2026年5月22日 20:00 〜 21:30

    第1回 哲学とはなにか、どのようにはじまったのか:最初の哲学者たちとソフィスト

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2026年6月5日 20:00 〜 21:30

    第2回 「美とはなにか」と「なにが美しいか」:ソクラテスの対話法と「無知の知」

     
  • 2026年6月19日 20:00 〜 21:30

    第3回 なぜ「これは美しい」と思うのか:プラトンのイデア論

     
  • 2026年7月3日 20:00 〜 21:30

    第4回 もしかしたらぜんぶ夢かもしれない:デカルトの懐疑と「われ思う、ゆえにわれ在り」

     
  • 2026年7月17日 20:00 〜 21:30

    第5回 私が見ている世界とあるがままの世界:デカルトの認識論

     
  • 2026年7月31日 20:00 〜 21:30

    第6回 デカルト以後の哲学:超越論的哲学へ

     

「美しさ」と「認識」からはじめる哲学入門:ソクラテスとデカルトの哲学を中心に

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