中川萌子

哲学(存在論、実存主義)/医学、生命倫理学


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1987年仙台市生まれ。京都大学総合人間学部卒、同大学院博士後期課程修了。ハイデガー哲学に関する博士論文で博士号(人間・環境学)(2017)取得。佛教大学及び大阪工業大学非常勤講師(哲学、倫理学、ドイツ語)を経て、2020年に弘前大学医学部医学科に学士編入。

学部から博士課程までドイツの哲学者マルティン・ハイデガー(Martin Heidegger, 1889-1976)の思想、特に彼の「世界内存在」という自己概念、その構造である「被投的企投」について研究しました。

そうした自己の構造を踏まえて、徹底的に問うというあり方、すなわち「哲学することはどのように成立するか」について博士論文(2017)および著書『脱-底 ハイデガーにおける被投的企投』(昭和堂、2018)にまとめました。

その間、大学で非常勤で哲学や倫理学、ドイツ語を教える機会を得て(2017-2019)、「哲学すること」を社会に直結させること、そしてより自由に哲学することに強い関心を持つようになり、医学部2年次に学士編入しました(2020)。

現在は、とある国立の研究所に所属し、医学と哲学の双方向的な学際を実現することを目標に、生命倫理学、研究倫理を学びながら、医学「と」哲学、その「と」の可能性を模索しています。

著書に、単著『脱-底 ハイデガーにおける被投的企投』(2018)(昭和堂)、共著『今から始める哲学入門』(担当は「第8章 存在を問う」)(2019)(京都大学学術出版会)があります。 その他research map参照のこと。

メッセージ

私は10年ほどハイデガー哲学の研究を行い、哲学を学びました。その後、哲学をより開かれた場所、特に実践で活かしたいという思いを強くし、医学を学び始め、現在は医学と哲学の学際的研究を目標に生命倫理学を研究しています。哲学の修行の過程で、「哲学する」とはどのような営みなのかを自分なりに探求し、今もその問いを別の仕方で探求し続けているつもりです。

そうした次第で『存在と時間』を初め、純粋哲学の古典の読書は久しぶりで、リハビリ的なところもあるのですが、他の分野の勉強や研究を経た今だからこそ、また新たな発見もあるのではないかとワクワクしています。

読書会を通して、みなさんと一緒に哲学の冒険ができることを楽しみにしています。よろしくお願いします。

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