ジャック・ラカンの思想に潜る——精神分析の鍵概念・治療実践・生きることそのものへの思索にむけて

開講期間: 2025年11月17日 2026年2月2日

隔週月曜日19:00〜20:30

難易度: 中級※ 難易度についてはこちらを参照ください。

講義の開催が決定しました

授業回数6 回

受講料12,600 円

受講者数21(最低開講人数: 5)


内容紹介

本講座では、20世紀のフランスで活躍した精神分析家ジャック・ラカンの思想について解説します。

精神分析とは、19世紀終わりにオーストリアのジークムント・フロイトの手によって始められた精神療法の技法と理論です。ラカンは、その着想をフランスで引き継ぎながら、同時代の哲学・科学の知見をふんだんに取り込んで、全く新しい知的な展望を切り拓いたことで知られています。心の病を癒すという関心と、人間性を深いところまで解き明かすという探究心とを興味深い仕方で交錯させた彼の思索は、その影響を、精神医療はもとより、様々な哲学・人文学の領域に波及させています。

そのようなラカンの思想ですが、それ自体は、彼の複雑な文体のせいもあってか、やたら難しく見えるとして評判でした。それでも、これまでの間に多くの入門書・研究書が出版され、おおまかなその輪郭にアクセスすることは、現在ずいぶんと容易になったように思われます。そのことはまた、ラカンを単に理解するように努めるだけではなく、ラカンの思想を通じて示唆されるさまざまな問いを現代的な視点から考えるという、新たなフェーズが開かれたということでもあるでしょう。

そこでこの講座では、ラカンについて二つのことを試みましょう。まず第一には、ラカン思想の全体像、またそれが精神医療と哲学・思想の歴史のなかで占める位置付けについて、なるべく広がりのある地図を描き出すこと。そして第二には、ラカン思想が提起する問いの意義を今日の視点から確かめ、私たち自身の思索をさらに発展させること。

この挑戦に際し、この講座のそれぞれの講義は、テーマごとに論点を深めていく予定です。現実界、想像界、象徴界というラカンの代名詞ともいうべき概念は、それぞれなぜ人間を考えるための鍵なのか。またラカンにとって治療とは何であったのか。そしてそもそもラカンにとって、人間が生きるということ自体、何であったのか。図式的な解説、教科書・入門書的な定義はなるべく避けながら、いったいラカンは何の話をしていたのか、考え直してみる機会としたいと思います。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、講座の受付終了から1年間視聴可能です。


★関連講座★

「欲望する機械」の哲学——ドゥルーズ゠ガタリ『アンチ・オイディプス』を読む
https://disseminer.jp/courses/80


◆受講の流れ◆

1. お申し込み

2. 開講&受講の決定

3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス

◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、クラスルーム(下記)、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。また、各授業日の2日または3日前にリマインダーメールをお送りいたします。

◦講師とのやりとりや資料の配付、講座に関する運営からのお知らせ等は、Google社が提供する学習管理アプリケーション「Googleクラスルーム」から行います。クラスルームにつきましては、受講決定時に別途招待メールが届きますので、そちらからご参加ください。

◦クラスルームの使い方についてはこちらをご覧ください。

◦アーカイブはマイページ内「受講状況」からご覧いただけるほか、本ページ下部の「授業スケジュール」およびクラスルームからもご覧いただけます。

◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。

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授業予定

第1回 2025年11月17日(月)19:00〜20:30

ジャック・ラカン紹介:精神分析とは?


第2回 2025年12月1日(月)19:00〜20:30

リアルを求めて——現実界の概念


第3回 2025年12月15日(月)19:00〜20:30

イメージに囲まれて——想像界の概念


第4回 2026年1月5日(月)19:00〜20:30

シンボルに仄めかされて——象徴界の概念


第5回 2026年1月19日(月)19:00〜20:30

いかに(己を)癒すか?——治療実践について


第6回 2025年2月2日(月)19:00〜20:30

いかに生きるか——精神分析の倫理について

※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

こんな人におすすめ

ジャック・ラカンの学説について知りたい人。
精神分析の歴史と理論について知りたい人。
フランス現代思想について知りたい人。
心について哲学・人文学的に考えたい人。

講師情報

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上尾真道

広島市立大学准教授
精神分析・思想史

講師情報の詳細を見る ▶


授業スケジュール

  • 次回開催

    2025年11月17日 19:00 〜 20:30

    第1回 ジャック・ラカン紹介:精神分析とは?

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2025年12月1日 19:00 〜 20:30

    第2回 リアルを求めて——現実界の概念

     
  • 2025年12月15日 19:00 〜 20:30

    第3回 イメージに囲まれて——想像界の概念

     
  • 2026年1月5日 19:00 〜 20:30

    第4回 シンボルに仄めかされて——象徴界の概念

     
  • 2026年1月19日 19:00 〜 20:30

    第5回 いかに(己を)癒すか?——治療実践について

     
  • 2026年2月2日 19:00 〜 20:30

    第6回 いかに生きるか——精神分析の倫理について

     

ジャック・ラカンの思想に潜る——精神分析の鍵概念・治療実践・生きることそのものへの思索にむけて

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