ベテラン研究者と一緒に心理学を学びましょ——人間行動にかかわる諸問題へのアプローチ[第一期]
開講期間: 2025年6月25日 〜 2025年10月1日
隔週水曜日19:00~20:30
難易度: 入門※ 難易度についてはこちらを参照ください。
内容紹介
1879年、ヴィルヘルム・ヴントがドイツ・ライプチッヒ大学に世界初の心理学実験室を設立しました。現代心理学ではこの年に科学的心理学が始まったと捉えています。彼は、人間に対してさまざまな刺激を与え、その時に経験される意識を被験者に報告させる〈内観法〉に基づいて意識を分析し、心の構成を明らかにしようとしました。彼の影響は世界に広がり、日本からも松本亦太郎(またたろう)が学んでいます。
しかし、内観法には批判も多く、それが契機となり、精神分析学(フロイト)、行動主義心理学(ワトソン)、ゲシュタルト心理学(ヴェルトハイマーら)が誕生しました。これらはそれぞれ、無意識や観察可能な行動、全体としての心理現象に着目することで、現代心理学の源流を形づくることになります。
やがて第二次世界大戦中、ユダヤ人であった多くのゲシュタルト心理学者がアメリカに亡命すると、同国が心理学の中心となっていきます。その後、新行動主義心理学、ゲシュタルト心理学、〈発生的認識論〉といった多様な研究成果を受け、人間の認知過程を重視する認知心理学が登場します。
心理学は、自然科学における実験の手法を援用し、さらには独自の研究方法を編み出してきました。観察法(自然観察法・実験法)、面接法(非構造化・構造化・半構造化)、質問紙法(自由回答法・選択肢法)、検査法(知能・性格検査など)など、ヴントによる心理学実験室の創設から現代心理学が始まったことを考えると、心理学において客観的データを得ることは心の解明・理解に不可欠です(詳細は参考資料「心理学の歴史」「心理学の研究方法」をご覧ください)。
このように、ヴントによる心理学実験室の創設から145年余りが経過するなか、客観的な研究方法を考案しながら、心理学の研究対象は人間行動のあらゆる分野に及んでいます。
この講座では、心理学の成り立ちから始まって、〈知覚〉〈思考・言語・知能〉〈動機づけ〉〈パーソナリティ〉〈社会のなかの人間〉〈人間の発達〉などについて、皆さんと一緒に学んでいきます。
今日、リアルな世界でも、バーチャルなネット世界でも、人間行動に関わるさまざまな問題が日々起こっています。そうした問題に取り組むうえで、心理学的なものの見方、研究方法を知ることは有益です。また今では、心理学を始めとするさまざまな学問を、アカデミックな枠のなかだけで留めておく時代ではなくなっているので、さまざまな学びをより多くの人たちが共有できるように、受講生の皆さんに積極的にかかわっていただき、可能であれば、心理学研究法を使って、実際に調査研究のような取り組みができると、大きな成果を生み出せると考えています。
現代心理学はその基礎のなかに自然科学的な研究方法の援用が謳われています。日々の生活で人間が行っているさまざまな行動を、この自然科学的な視点、心理学的な概念でとらえなおしてみると、人間の行動について新たな発見が得られるでしょう。また、現代心理学は哲学に源流をもっており、現代心理学を学ぶことで、心理学が哲学からどのような発展を遂げてきたのかを知ることもできます。
・心理学をさかのぼると
・心理学は法則定立的それとも個性記述的な学問か?
・現代心理学を形づくる3つの領域(精神分析学、行動主義心理学、ゲシュタルト心理学)
・心理学の研究方法
第二講 人間はこの世界をどのように見ているか
・ニュールック心理学
・幾何学的錯視
第三講 人間はどのように考えているか
・言語はコミュニケーションの手段である
・ヴィゴツキーの外言と内言について
・言語相対性仮設
・言語の獲得
・ルリアの〈言語による行動調整機能〉の発達段階
・知能と知能テスト
・境界知能について
第四講 人間はどのように学習するのか
・古典的条件づけ(パブロフの実験)とオペラント条件づけ(スキナーの実験)
・類人猿の知恵試験(試行錯誤と洞察)
第五講 私たちの行動を引き起こすもの
・外発的動機づけと内発的動機づけ
・原因の帰属
・自己効力感
第六講 パーソナリティの仮面をはがす
・パーソナリティと性格
・パーソナリティの諸理論
・パーソナリティの検査法
第七講 人は人をどのように知覚/認知するか
・対人認知の誤り
・説得的コミュニケーション
・態度の変容(バランス理論、認知的不協和理論)
・パーソナルスペース(個人空間)
・服従の心理(ミルグラム実験)
・スタンフォード監獄実験
第八講 人はどのように発達していくか
・発達段階と発達課題
・ピアジェの発達理論
・ピアジェとヴィゴツキー
・テレビがある時代の赤ちゃん
・ネットがある時代の赤ちゃん
〈第一期〉(本講座)では、第一講~第四講までの内容について、90分授業x8回でお伝えします。各内容につき2回の授業を予定しています。
〈第二期〉では、第五講~第八講の内容について、90分授業x8回でお伝えする予定です。
質問は、各回授業終了時またはクラスルームにて受け付けます。
※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、受講受付の終了から1年間視聴可能です。
↓
2. 開講&受講の決定
↓
3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス
しかし、内観法には批判も多く、それが契機となり、精神分析学(フロイト)、行動主義心理学(ワトソン)、ゲシュタルト心理学(ヴェルトハイマーら)が誕生しました。これらはそれぞれ、無意識や観察可能な行動、全体としての心理現象に着目することで、現代心理学の源流を形づくることになります。
やがて第二次世界大戦中、ユダヤ人であった多くのゲシュタルト心理学者がアメリカに亡命すると、同国が心理学の中心となっていきます。その後、新行動主義心理学、ゲシュタルト心理学、〈発生的認識論〉といった多様な研究成果を受け、人間の認知過程を重視する認知心理学が登場します。
心理学は、自然科学における実験の手法を援用し、さらには独自の研究方法を編み出してきました。観察法(自然観察法・実験法)、面接法(非構造化・構造化・半構造化)、質問紙法(自由回答法・選択肢法)、検査法(知能・性格検査など)など、ヴントによる心理学実験室の創設から現代心理学が始まったことを考えると、心理学において客観的データを得ることは心の解明・理解に不可欠です(詳細は参考資料「心理学の歴史」「心理学の研究方法」をご覧ください)。
このように、ヴントによる心理学実験室の創設から145年余りが経過するなか、客観的な研究方法を考案しながら、心理学の研究対象は人間行動のあらゆる分野に及んでいます。
この講座では、心理学の成り立ちから始まって、〈知覚〉〈思考・言語・知能〉〈動機づけ〉〈パーソナリティ〉〈社会のなかの人間〉〈人間の発達〉などについて、皆さんと一緒に学んでいきます。
今日、リアルな世界でも、バーチャルなネット世界でも、人間行動に関わるさまざまな問題が日々起こっています。そうした問題に取り組むうえで、心理学的なものの見方、研究方法を知ることは有益です。また今では、心理学を始めとするさまざまな学問を、アカデミックな枠のなかだけで留めておく時代ではなくなっているので、さまざまな学びをより多くの人たちが共有できるように、受講生の皆さんに積極的にかかわっていただき、可能であれば、心理学研究法を使って、実際に調査研究のような取り組みができると、大きな成果を生み出せると考えています。
現代心理学はその基礎のなかに自然科学的な研究方法の援用が謳われています。日々の生活で人間が行っているさまざまな行動を、この自然科学的な視点、心理学的な概念でとらえなおしてみると、人間の行動について新たな発見が得られるでしょう。また、現代心理学は哲学に源流をもっており、現代心理学を学ぶことで、心理学が哲学からどのような発展を遂げてきたのかを知ることもできます。
授業内容
第一講 心理学の歴史と研究方法・心理学をさかのぼると
・心理学は法則定立的それとも個性記述的な学問か?
・現代心理学を形づくる3つの領域(精神分析学、行動主義心理学、ゲシュタルト心理学)
・心理学の研究方法
第二講 人間はこの世界をどのように見ているか
・ニュールック心理学
・幾何学的錯視
第三講 人間はどのように考えているか
・言語はコミュニケーションの手段である
・ヴィゴツキーの外言と内言について
・言語相対性仮設
・言語の獲得
・ルリアの〈言語による行動調整機能〉の発達段階
・知能と知能テスト
・境界知能について
第四講 人間はどのように学習するのか
・古典的条件づけ(パブロフの実験)とオペラント条件づけ(スキナーの実験)
・類人猿の知恵試験(試行錯誤と洞察)
第五講 私たちの行動を引き起こすもの
・外発的動機づけと内発的動機づけ
・原因の帰属
・自己効力感
第六講 パーソナリティの仮面をはがす
・パーソナリティと性格
・パーソナリティの諸理論
・パーソナリティの検査法
第七講 人は人をどのように知覚/認知するか
・対人認知の誤り
・説得的コミュニケーション
・態度の変容(バランス理論、認知的不協和理論)
・パーソナルスペース(個人空間)
・服従の心理(ミルグラム実験)
・スタンフォード監獄実験
第八講 人はどのように発達していくか
・発達段階と発達課題
・ピアジェの発達理論
・ピアジェとヴィゴツキー
・テレビがある時代の赤ちゃん
・ネットがある時代の赤ちゃん
〈第一期〉(本講座)では、第一講~第四講までの内容について、90分授業x8回でお伝えします。各内容につき2回の授業を予定しています。
〈第二期〉では、第五講~第八講の内容について、90分授業x8回でお伝えする予定です。
質問は、各回授業終了時またはクラスルームにて受け付けます。
※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、受講受付の終了から1年間視聴可能です。
◆受講の流れ◆
1. お申し込み↓
2. 開講&受講の決定
↓
3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス
◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。
◦講師とのやりとりや資料の配付はGoogle社が提供する学習管理アプリケーション「Googleクラスルーム」から行います。クラスルームにつきましては、受講決定時に別途招待メールが届きますので、そちらからご参加ください。
◦アーカイブはマイページ内「受講状況」からご覧いただけるほか、本ページ下部の「授業スケジュール」およびクラスルームからもご覧いただけます。
◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。

授業予定
第1回 2025年6月25日(水)19:00~20:30
第2回 2025年7月9日(水)19:00~20:30
第3回 2025年7月23日(水)19:00~20:30
第4回 2025年8月6日(水)19:00~20:30
第5回 2025年8月20日(水)19:00~20:30
第6回 2025年9月3日(水)19:00~20:30
第7回 2025年9月17日(水)19:00~20:30
第8回 2025年10月1日(水)19:00~20:30
第2回 2025年7月9日(水)19:00~20:30
第3回 2025年7月23日(水)19:00~20:30
第4回 2025年8月6日(水)19:00~20:30
第5回 2025年8月20日(水)19:00~20:30
第6回 2025年9月3日(水)19:00~20:30
第7回 2025年9月17日(水)19:00~20:30
第8回 2025年10月1日(水)19:00~20:30
※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
こんな人におすすめ
心理学を学ぼうと思っていて機会を逃した方
日常生活におけるさまざまな人間行動の背後に潜む心理学的な背景を知りたい方
心理学的なものの見方を含めて、社会を統一的に見なおしてみたい方
日常生活におけるさまざまな人間行動の背後に潜む心理学的な背景を知りたい方
心理学的なものの見方を含めて、社会を統一的に見なおしてみたい方
講師情報

授業スケジュール
次回開催
2025年6月25日 19:00 〜 20:30
第1回
参加可能人数: 無制限2025年7月9日 19:00 〜 20:30
第2回
2025年7月23日 19:00 〜 20:30
第3回
2025年8月6日 19:00 〜 20:30
第4回
2025年8月20日 19:00 〜 20:30
第5回
2025年9月3日 19:00 〜 20:30
第6回
2025年9月17日 19:00 〜 20:30
第7回
2025年10月1日 19:00 〜 20:30
第8回
ベテラン研究者と一緒に心理学を学びましょ——人間行動にかかわる諸問題へのアプローチ[第一期]
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