ハンナ・アーレント『全体主義の起原』(第3巻)を読む[10章〜12章-1]

入門★★☆

※ この講座はすでに終了しています。


内容紹介

この講座では、ハンナ・アーレント(1906-1975)の『全体主義の起原』を講師といっしょに読んでいきます。日本語訳で3分冊の大著ですが、全体主義そのものを考察対象としている第3巻を取り上げます。今なお読み継がれる全体主義研究の古典であり、ナチの手を逃れアメリカに行き着いたユダヤ人アーレントの名を一躍知らしめた本でもあります。

20世紀最大の悲劇たる全体主義は、アーレントによればそれ以前の独裁制や専制政治とは全く異なるものでした。全体主義のありようを理解することとは、それが再び生まれることのないようにその徴候を察し、芽を潰していくことでもあります。現在の政治や社会の状況を理解するためのよすがとしても大きな意味をもつと思います。

必要に応じて『人間の条件』をはじめとするアーレントの他の本にも言及・解説します。アーレントの思想全体に興味がある人にもおすすめです。

有名な本ですが、かなりの大著でおそらく読み通した人はそれほど多くはないでしょう。このレベルの本をきちんと読み考える経験は、単に自信になるだけでなく、読解力・思考力を大きく高めてくれます。これを機会にご自身でも読んでみるのはいかがでしょう。

授業は毎回指定の範囲を読んでいきます。こちらである程度の要点を整理した後で、参加者で軽く意見交換をしてみたいと思います。必ずしも事前に読むことは必要ではありませんが、目を通すだけでもしてきたほうがより理解が高まるかと思います。話をするのが苦手な人は聞いているだけでも大丈夫です。

受講者にはGoogle Classroomを使って資料の配付や、質問やコメントの受付を行います。適宜利用してください。ただし、必ず回答できるとは限りませんので、その点はご了承ください。開講決定後に受講者をクラスルームへ招待します。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。一部の回に参加のご都合がつかない場合も、見逃しなく受講できます。

※アーカイブの視聴可能期間は、講座終了から1年間です。


テキスト

ハンナ・アーレント『全体主義の起原3 全体主義』大久保和郎・大島かおり訳、みすず書房、2017年

※著作権等の都合により、こちらでテキストそのものを配ることはできません。ご購入いただくか図書館で借りるかなどして各自でご準備ください。テキストがなくても参加は可能です。

◆受講の流れ

1. お申し込み

2. マイページもしくはクラスルームからアーカイブにアクセス

3. クラスルームから資料にアクセス

◦アーカイブはお申し込み時に自動送信されるメールや本ページ下部の「授業スケジュール」からもご覧いただけます。

◦GoogleクラスルームはGoogle社が提供する学習管理アプリケーションです。クラスルームにつきましては、受講決定時に送られるメール(「Googleクラスルームにご参加ください」)をご確認下さい。資料はGoogleクラスルームにて公開しております。


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授業予定

第1回(12/18)

第10章−1「大衆」

第2回(1/8)

第10章−2「モッブとエリートの一時的同盟」

第3回(1/22)

第11章−1「全体主義のプロパガンダ」

第4回(2/19)

第11章−2「全体主義組織」

第5回(3/4)

第12章−1「国家機構」


※12章-2以降は本講座終了後開講予定です。

[12章-2〜]はこちら
https://disseminer.jp/courses/21

※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

こんな人におすすめ

アーレントの思想に興味のあるひと
『全体主義の起原』を読んでみたいひと
現代の世界情勢をクリティカルに考えてみたいひと

講師情報

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渡辺洋平

1985年宮城県生まれ。京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。
専門は思想史・芸術史。

講師情報の詳細を見る ▶


授業スケジュール

  • 2023年12月18日 20:00 〜 21:30

    第1回 第10章−1「大衆」

     
  • 2024年01月08日 20:00 〜 21:30

    第2回 第10章−2「モッブとエリートの一時的同盟」

     
  • 2024年01月22日 20:00 〜 21:30

    第3回 第11章−1「全体主義のプロパガンダ」

     
  • 2024年02月19日 20:00 〜 21:30

    第4回 第11章−2「全体主義組織」

     
  • 2024年03月04日 20:00 〜 21:30

    第5回 第12章−1「国家機構」