ドゥルーズの芸術論——哲学と芸術の「出会い」は何をもたらすのか

開講期間: 2026年1月19日 2026年4月13日

隔週月曜日20:00〜21:30

難易度: 発展※ 難易度についてはこちらを参照ください。

講義の開催が決定しました

授業回数7 回

受講料14,420 円

受講者数27(最低開講人数: 3)


内容紹介

この講座では、20世紀フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズの芸術論を考察します。ドゥルーズは哲学史の研究を通じて自身の思想を深め、やがてそれを基盤に独自の哲学を展開していきましたが、それと同時に、初期から一貫して芸術について思考することで哲学そのものを問いなおしていった哲学者でもあります。そのため彼の哲学は芸術論と切り離すことはできず、ドゥルーズの思想を問うことは、ドゥルーズと芸術の関係を問うことでもあります。

本講座で問われるのは、ドゥルーズがいかに芸術とかかわり、芸術を思考し、芸術をみずからの糧としてきたのか、そしてドゥルーズにとって芸術とは何だったのか、彼の思想は芸術に対してどのような視点をもたらしうるのか、といった問題です。これらの問いは単純にドゥルーズの思想について考察するというだけでなく、芸術あるいは芸術作品にはどのような力があるのか、哲学や芸術とはいったい何なのかについても、ひとつの(あるいは複数の)答えを与えてくれるはずです。

こうした意味で、本講座が目指すのは、ドゥルーズという一人の哲学者を例として哲学と芸術のもつ力を考察することです。哲学と芸術の「出会い」と、そこから生まれる思考や実践について考えてみたいと思います。

本講座は以下のような順路で展開される予定です。

初回ではまずドゥルーズの経歴と芸術との関係について概観します。その後、晩年の著作であり、盟友フェリックス・ガタリとの最後の共著となった『哲学とは何か』から、彼らの芸術論を引き出します。上でも書いたようにドゥルーズはつねに芸術とともに思索を深めてきましたが、芸術とはなにかという問いを正面から扱うことはほとんどありません。この晩年の思索を、初期の文学論『プルーストとシーニュ』における芸術哲学と突きあわせつつ考察することで、その要点を確認します。

その後、第2回第3回では、それぞれ異なる芸術領域に焦点を当てます。画家フランシス・ベーコン論である『感覚の論理学』と、キャリアを通じて断続的に書き継がれてきたさまざまな文学論から、イメージと文学がもつ力をそれぞれ考察します。

第4回では初期ドゥルーズの到達点である『差異と反復』を対象に、当時の大きな課題だったカント的な超越論的感性論の刷新というテーマを考察します。感性論の原語はesthétiqueですが、この言葉はそのまま美学を表す言葉でもあります。したがってひとつの言葉が文脈によって感性論と美学という二つの意味をとってしまうのですが、この二重性を乗り越えるというのが『差異と反復』の課題のひとつでした。「超越論的経験論」とも呼ばれるこの課題は、そのままドゥルーズの芸術論の中心的課題とも言えるものであり、ドゥルーズの思想における芸術論ないし美学゠感性論の重要性を明かすものです。

第5回では第4回で考察された感性論と美学の二重性の克服というテーマが、後の映画論においていかに展開されたのかを、第6回では「芸術は動物とともに始まる」という自然主義的ないし非人間主義的な芸術論を考察します。ここでの考察はドゥルーズ哲学の拡がりと芸術論の一体性をより具体的に跡づけるものです。

最終回となる第7回では、芸術作品を一種の「機械」とみなす芸術機械論を考察します。芸術機械論は批評理論と考えることも可能であり、講座のまとめとしてドゥルーズの芸術論を創造的な批評の理論として再構築することを目指します。

※本講座はドゥルーズの哲学をあらためて検討するもので、一部に高度な議論が含まれます。哲学的思考にじっくり取り組みたい方、思索を一段深めたい方におすすめです。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。リアルタイムで授業に参加できない場合も見逃しなく受講できます。
※途中参加の場合も、全授業のアーカイブ動画をご覧いただけます。
※アーカイブ動画は、最低1年間視聴可能です。


◆受講の流れ◆

1. お申し込み

2. 開講&受講の決定

3. リアルタイムで授業に参加/アーカイブを見る/クラスルームから資料にアクセス

◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、クラスルーム(下記)、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。また、各授業日の2日または3日前にリマインダーメールをお送りいたします。

◦講師とのやりとりや資料の配付、講座に関する運営からのお知らせ等は、Google社が提供する学習管理アプリケーション「Googleクラスルーム」から行います。クラスルームにつきましては、受講決定時に別途招待メールが届きますので、そちらからご参加ください。

◦クラスルームの使い方についてはこちらをご覧ください。

◦アーカイブはマイページ内「受講状況」からご覧いただけるほか、本ページ下部の「授業スケジュール」およびクラスルームからもご覧いただけます。

◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。

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授業予定

第1回 2026年1月19日(月)20:00〜21:30

芸術の名目的定義と力——『哲学とは何か』『プルーストとシーニュ』


第2回 2026年2月2日(月)20:00〜21:30

フランシス・ベーコンと感覚の作用——『感覚の論理』


第3回 2026年2月16日(月)20:00〜21:30

文学における人物たち——プルースト、マゾッホ、メルヴィル、ベケット


第4回 2026年3月2日(月)20:00〜21:30

超越論的感性論の刷新——『差異と反復』


第5回 2026年3月16日(月)20:00〜21:30

イメージと思考——『シネマ』


第6回 2026年3月30日(月)20:00〜21:30

芸術と自然——『千のプラトー』『哲学とは何か』


第7回 2026年4月13日(月)20:00〜21:30

機械としての芸術——『アンチ・オイディプス』『プルーストとシーニュ』

※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

こんな人におすすめ

ドゥルーズの思想に興味がある人
20世紀の美学、芸術論に興味がある人
哲学と芸術の関係について考えてみたい人
哲学的な芸術批評に興味がある人

講師情報

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渡辺洋平

1985年宮城県生まれ。京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。
専門は思想史・芸術史。

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授業スケジュール

  • 2026年1月19日 20:00 〜 21:30

    第1回 芸術の名目的定義と力——『哲学とは何か』『プルーストとシーニュ』

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2026年2月2日 20:00 〜 21:30

    第2回 フランシス・ベーコンと感覚の作用——『感覚の論理』

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2026年2月16日 20:00 〜 21:30

    第3回 文学における人物たち——プルースト、マゾッホ、メルヴィル、ベケット

    参加可能人数: 無制限
     
  • 次回開催

    2026年3月2日 20:00 〜 21:30

    第4回 超越論的感性論の刷新——『差異と反復』

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2026年3月16日 20:00 〜 21:30

    第5回 イメージと思考——『シネマ』

     
  • 2026年3月30日 20:00 〜 21:30

    第6回 芸術と自然——『千のプラトー』『哲学とは何か』

     
  • 2026年4月13日 20:00 〜 21:30

    第7回 機械としての芸術——『アンチ・オイディプス』『プルーストとシーニュ』

     

ドゥルーズの芸術論——哲学と芸術の「出会い」は何をもたらすのか

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