フランス語講読[2024夏]——クロード・レヴィ゠ストロース『野生の思考』第9章
開講期間: 2024年6月30日 〜 2024年9月23日
発展★☆☆
※ この講座はすでに終了しています。
内容紹介
この講座ではフランス語で書かれた哲学的な文章をある程度のまとまりで読んでいきます。フランス語の表現や哲学的な文体に慣れつつ、語彙力や読解力、思考力を高めるとともに、フランス的な思考の特質を理解することを目指します。
今期は、クロード・レヴィ゠ストロース(1908-2009)の代表作『野生の思考La Pensée sauvage』(1962)から、最終章である第9章を読みます。
1960年代のいわゆる「構造主義」の台頭を象徴する書物である本書は、それまで野蛮で非論理的なものとみなされてきた「未開人」の思考が、ヨーロッパの「科学的な」思考に劣らず「論理的」なものであると論じ、ヨーロッパ中心主義的な発想に根底的な打撃を加えました。レヴィ゠ストロースの言う「野性の思考」とは、原始的で未熟な思考ではなく、近代的な科学とは異なる「具体の科学」において作動する別種の思考なのです。
レヴィ゠ストロースによるヨーロッパ中心主義的なものの見かたに対する批判は、今回読む第9章において、戦後知識人の代表者であるジャン゠ポール・サルトルの『弁証法的理性批判』への批判として表れます。それは結果として、時代が「実存主義」から「構造主義」へと移ったことを象徴的に示すことになりました。歴史を主題とする同章でレヴィ゠ストロースは、中立的で不偏不党の歴史というものはありえず、歴史は必ず「何かのための歴史l'histoire-pour」であると論じました。このことは、われわれの他者に対する視点が、必ずある種の暴力性をともなわざるをえないことを教えてくれます。
内容としてもフランス語の文章としても簡単とは言いがたい部分はありますが、じっくりと読んでいけば十分に理解することが可能であると思います。特に自分とは異なる存在に対するまなざしや、自分自身の視点を相対化する視点などは、今日の文化的な状況の土台を作ったものとも言えます。どんな視点であれ、一つの視点は他者への暴力という側面を持たざるをえません。重要なのはこの暴力を自覚し、その影響力を理解することであるように思います。皆さんの参加をお待ちしております。
※文法的な解説も行いますが、基本的なフランス語の文章が読める方を対象とします。
※授業の進み具合は参加者によって変化することが予想されます。初回は3ページほど読んできて下さい。
※この講座はリアルタイムでの出席が前提となります。欠席する場合やネットの回線状況が悪かったときのためにアーカイブ動画を残しますが、アーカイブのみでの受講はお断りいたします。また自動でのアーカイブ動画の公開もありません。欠席する場合は、なるべく事前にお知らせ下さい。
※開講後にお申し込みいただいた方には、それまでに開講された授業のアーカイブ動画を見れるよう手続きいたします。
現在はポケット版が出ています。以下に日本のAmazonでの購入ページへのリンクを貼っておきます。なぜか英語版と表示されますが、普通にフランス語です。
https://www.amazon.co.jp/dp/2266038168/
※著作権保護の観点から各自で入手の上ご参加ください。講座の開始までに間に合わない場合などはお問い合わせフォームよりご相談ください。
↓
2. 開講&受講の決定
↓
3. リアルタイムで授業に参加
今期は、クロード・レヴィ゠ストロース(1908-2009)の代表作『野生の思考La Pensée sauvage』(1962)から、最終章である第9章を読みます。
1960年代のいわゆる「構造主義」の台頭を象徴する書物である本書は、それまで野蛮で非論理的なものとみなされてきた「未開人」の思考が、ヨーロッパの「科学的な」思考に劣らず「論理的」なものであると論じ、ヨーロッパ中心主義的な発想に根底的な打撃を加えました。レヴィ゠ストロースの言う「野性の思考」とは、原始的で未熟な思考ではなく、近代的な科学とは異なる「具体の科学」において作動する別種の思考なのです。
レヴィ゠ストロースによるヨーロッパ中心主義的なものの見かたに対する批判は、今回読む第9章において、戦後知識人の代表者であるジャン゠ポール・サルトルの『弁証法的理性批判』への批判として表れます。それは結果として、時代が「実存主義」から「構造主義」へと移ったことを象徴的に示すことになりました。歴史を主題とする同章でレヴィ゠ストロースは、中立的で不偏不党の歴史というものはありえず、歴史は必ず「何かのための歴史l'histoire-pour」であると論じました。このことは、われわれの他者に対する視点が、必ずある種の暴力性をともなわざるをえないことを教えてくれます。
内容としてもフランス語の文章としても簡単とは言いがたい部分はありますが、じっくりと読んでいけば十分に理解することが可能であると思います。特に自分とは異なる存在に対するまなざしや、自分自身の視点を相対化する視点などは、今日の文化的な状況の土台を作ったものとも言えます。どんな視点であれ、一つの視点は他者への暴力という側面を持たざるをえません。重要なのはこの暴力を自覚し、その影響力を理解することであるように思います。皆さんの参加をお待ちしております。
◎授業の進め方◎
授業は、参加者による音読と訳読→講師からの解説、の順で進めていきます。受講者は予習した上で授業に参加してください。音読と訳読をしてもらう都合上、マイクが必要となりますので各自ご準備ください。カメラによる顔出しは必須ではありませんが、可能であればご対応ください。※文法的な解説も行いますが、基本的なフランス語の文章が読める方を対象とします。
※授業の進み具合は参加者によって変化することが予想されます。初回は3ページほど読んできて下さい。
※この講座はリアルタイムでの出席が前提となります。欠席する場合やネットの回線状況が悪かったときのためにアーカイブ動画を残しますが、アーカイブのみでの受講はお断りいたします。また自動でのアーカイブ動画の公開もありません。欠席する場合は、なるべく事前にお知らせ下さい。
※開講後にお申し込みいただいた方には、それまでに開講された授業のアーカイブ動画を見れるよう手続きいたします。
★テクスト★
Claude Lévi-Strauss, La Pensée sauvage, Plon, 1962現在はポケット版が出ています。以下に日本のAmazonでの購入ページへのリンクを貼っておきます。なぜか英語版と表示されますが、普通にフランス語です。
https://www.amazon.co.jp/dp/2266038168/
※著作権保護の観点から各自で入手の上ご参加ください。講座の開始までに間に合わない場合などはお問い合わせフォームよりご相談ください。
◆受講の流れ◆
1. お申し込み↓
2. 開講&受講の決定
↓
3. リアルタイムで授業に参加
◦リアルタイム授業への参加URLは、受講決定時に自動送信されるメールに記載されている他、マイページ内「ダッシュボード」からもご確認いただけます。
◦講師とのやりとりや資料の配付等は、Google社が提供する学習管理アプリケーション「Googleクラスルーム」から行います。クラスルームにつきましては、受講決定時に別途招待メールが届きますので、そちらからご参加ください。
◦本講座は自動でのアーカイブ動画の公開はありません。欠席する場合やその他不具合が生じた場合は、講師もしくは運営までご連絡ください。
◦ディセミネでの初回受講時に送られる招待メールを承認することで、Googleカレンダーと自動で同期が可能です。是非ともお使いください。
授業予定
第1回 6月30日(日)16:00〜18:15
第2回 7月15日(月/祝)16:00〜18:15
第3回 7月28日(日)16:00〜18:15
第4回 8月18日(日)16:00〜18:15
第5回 9月8日(日)16:00〜18:15
第6回 9月23日(月/祝)16:00〜18:15
第2回 7月15日(月/祝)16:00〜18:15
第3回 7月28日(日)16:00〜18:15
第4回 8月18日(日)16:00〜18:15
第5回 9月8日(日)16:00〜18:15
第6回 9月23日(月/祝)16:00〜18:15
※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
こんな人におすすめ
フランス語原典で哲学書や思想書を読んでみたい人
難易度が高めのフランス語の文章を読んでみたい人
フランス語の読解力を付けたい人
語学試験や大学院の受験対策など
難易度が高めのフランス語の文章を読んでみたい人
フランス語の読解力を付けたい人
語学試験や大学院の受験対策など
講師情報
授業スケジュール
2024年6月30日 16:00 〜 18:15
第1回
2024年7月15日 16:00 〜 18:15
第2回
2024年7月28日 16:00 〜 18:15
第3回
2024年8月18日 16:00 〜 18:15
第4回
2024年9月8日 16:00 〜 18:15
第5回
2024年9月23日 16:00 〜 18:15
第6回