ディスアビリティ(障害)とは何か——人文・社会科学的視点から再考する

隔週水曜日 20:00-21:30

入門★☆☆

講義の開催が決定しました

講義回数5 回

受講料9,800 円

現在の受講者数24(最低開講人数: 3)


内容紹介

障害(障がい)のある人々の社会参加の促進が叫ばれるようになり久しくなります。2006年、国際連合総会において「障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)」が採択され、日本でも2014年に効力を発生しました。また、2021年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれましたが、それに向けては様々な啓発活動が行われました。そして、近年は法整備や社会的な理解の促進が徐々に進み、少しずつではありますが進歩がみられるようになりました。

しかし、そもそも「障害」とは何か、ということに立ち返ったとき、きちんと説明することの難しさを覚える人もいるのではないでしょうか。車いすに乗った人々、目が見えない(見えにくい)人々、耳が聞こえない(聞こえにくい)人々、精神に辛さを感じる人々、いわゆる「発達障害」と呼ばれる人々、内臓に弱さを抱えた人々…。様々に思い浮かべるかもしれません。本講座では、人文学(と少し社会科学)の要素を入れながら、この根本問題に向き合ってみたいと思います。

学術的には、障害は医学の側面から主に考えられてきました。これは、障害が個人の身体にあるものと考え、それを「治療しよう」とするものです。それはそれでたいへんな進歩を遂げ、社会的な意義も大きいのですが、ある時からもう一つの立場が現れました。それは「ディスアビリティ・スタディーズ」(Disability Studies; 障害学)という学問領域です。これは、日本の「障害学会」という組織の定義によれば、障害を社会的・文化的な視点から考えるものです。

いわゆる「障害の社会モデル」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、これも障害学の鍵概念です。ごく簡単に説明すれば、障害は個人ではなく社会の側にある、という考え方です。しかし、近年の英語圏においては、このモデルにも限界があり、批判的に乗り越えられなければならない、という議論が盛んです。

障害学の特徴の一つに、当事者の関与があります。ここでいう「当事者」とは、障害がある人本人のことです。英米などにおいて障害のある当事者が様々な社会的障壁に異議を唱え、社会で暮らすことを主張する運動を始めたこと、障害を持つ研究者が現れたこと、そして障害を持たない研究者との連携が起こっていることが重要です。

障害学は本来はとても学際的で、人文学・社会科学の様々な分野の研究者たちが参画しています。問題が複雑なので、ひとつの学問だけでは真理にたどり着けないのです。社会学・社会福祉学の観点から障害のある人々の生活を考えようとする人々、特別支援教育の在り方をとらえ直そうとする人々、また、そもそも「障害とは何か」と、哲学や歴史学の観点から考える人々がいます。

本講座では、「障害学」の全体像を網羅的に説明するというよりも、その知見と視点を踏まえて、障害のある人に関する理論的・具体的な問題を一緒に考え、いわゆる「共生社会」がどのようにあるべきか、考えてみたいと思います。

取り上げる問題としては、「障害」という単語の表記の在り方と意味、学校や職場における発達障害のある人々、障害のある人々の生活の地域性、等があります。

かつての日本においては、障害のある人々の中には世間から「避けられる」人々がいました。今でもその問題は残っているかもしれません。しかし、今後はますます、彼ら・彼女らの社会参加が進むでしょうから、誰もがその人々の「生」を自分事として捉える必要が出てきます。それは、よりよい人間関係とコミュニティ、ひいては社会をつくるために肝要なことなのです。この講座が少しでもその契機になれば幸いです。

※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。一部の回に参加のご都合がつかない場合も、見逃しなく受講できます。

※アーカイブの視聴可能期間は、講座終了から1年間です。

※情報のアクセスに関するニーズを持って受講を希望される方は、事前に事務局までご相談ください。講師と事務局が可能な限り対応します。

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授業予定

第1回 2/7(水)

障害とは何か、障害者とは何者か——言葉の定義から考える——


第2回 2/21(水)

障害とは何か、障害者とは何者か——歴史から考える——


第3回 3/6(水)

日本と世界の障害者をめぐる状況——障害者権利条約の以前、以後、そしてその先——


第4回 3/27(水)

障害の医学モデル(個人モデル)


第5回 4/10(水)

障害の社会モデルとその先、まとめ

※ 開講1週間前までは予定が変更される可能性があります。現時点での予定はページ下部にある各授業の内容を参照ください。

こんな人におすすめ

医療や福祉・教育に関わる仕事や研究、勉強をしている方
障害のある人を見ると、なんらかの感情を抱く方
ダイバーシティ(多様性)ってなんだ?と思っている方
その他関心のある方

講師情報

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宮崎康支

関西学院大学特定プロジェクト研究センター客員研究員。
専門は社会言語学、障害学。

講師情報の詳細を見る ▶


授業スケジュール

  • 2024年02月07日 20:00 〜 21:30

    第1回 障害とは何か、障害者とは何者か——言葉の定義から考える——

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2024年02月21日 20:00 〜 21:30

    第2回 障害とは何か、障害者とは何者か——歴史から考える——

    参加可能人数: 無制限
     
  • 次回開催

    2024年03月06日 20:00 〜 21:30

    第3回 日本と世界の障害者をめぐる状況——障害者権利条約の以前、以後、そしてその先——

    参加可能人数: 無制限
     
  • 2024年03月27日 20:00 〜 21:30

    第4回 障害の医学モデル(個人モデル)

     
  • 2024年04月10日 20:00 〜 21:30

    第5回 障害の社会モデルとその先、まとめ

     

ディスアビリティ(障害)とは何か——人文・社会科学的視点から再考する

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