日本の喫茶文化を知る——歴史的文献の読解を交えて(茶の湯編)
開講期間: 2024年01月19日 〜 2024年03月15日
入門★☆☆
※ この講座はすでに終了しており、アーカイブと資料のみのご提供となります。リアルタイムでの授業や質問の受付などはありませんのでご注意ください。
内容紹介
世の中にはさまざまな飲み物がありますが、日本に住む者にとってもっとも馴染みのある飲み物は、やはり「お茶」ではないでしょうか。飲食店に入ればしばしばお茶が出されますし、お茶を用いたスイーツも多く販売されています。ペットボトルのお茶を購入される方も少なくないでしょう。
このように日本に住む者にとって身近な存在のお茶ですが、その歴史についてしっかりと知っているという方はそれほど多くいないように思います。
例えば、栄西とか、千利休といったような喫茶文化にまつわる歴史上の人物の名前を耳にしたことはあるかと思います。しかし、実際に彼らは何をしたのでしょうか。あるいは、茶の湯で喫される抹茶ではなく、急須を用いて淹れる煎茶はいつ頃から飲まれるようになったのでしょうか。また、煎茶はどのような人に嗜まれていたのでしょうか。あるいは、歴史に名が残っているような有名な人物ではなく、庶民はいつ頃からお茶を飲むようになったのでしょうか。
確かに、これらのお茶にまつわる知識は、インターネットで検索したり、日本文化に関する概説書をひもとけば、ある程度は得ることができます。ただし、それらには、近年の茶文化研究の成果がいまだ十分に反映されているとは言えません。
例えば、以前は、栄西が抹茶を中国よりもたらしたと言われていました。しかし、現在はそのようには考えられていません。あるいは、利休の師は武野紹鴎という人物であると考えられていましたが、いまはそのようには考えられていません。他にも、「わび」や「和敬清寂」などが、ときに利休が唱えた言葉として紹介されてきました。しかし、そのような事実はありません。
この講座では、茶文化研究の成果を参照しつつ、いま現在も書き換えられ続けられている、新しい日本喫茶文化史の全体像を把握することを目指したいと思います。
まず「茶の湯編」と題しまして、茶の湯の前史からお話しします。そして、その起こり、利休などによる成立、そしてその後の伝承まで、順を追ってお話しします。続く「煎茶編」では、近世からはじまる煎茶文化について、高遊外売茶翁という人物を中心にお話しします。売茶翁は、その名前すら聞いたことがないという方のほうが多いかと思いますが、煎茶文化を理解するうえで欠かせない人物です。
またこの講座では、茶文化の堅実な知識を獲得するために、授業では歴史的文献も扱います。文献は古文や漢詩文ですが、都度、現代語訳を提示しますし、もちろん、その文献が書かれた歴史的背景などについてもお話ししますので、古文や漢詩文に馴染みのない方、茶文化についてこれから学んでいきたいという方も理解していただけるようにいたします。取り上げる文献は、「茶の湯編」では、栄西の『喫茶養生記』、『山上宗二記』と利休の茶会記、織田信長と豊臣秀吉の茶会記、井伊直弼の『茶湯一会集』、高橋箒庵の『おらが茶の湯』などを予定しています。「煎茶編」では、高遊外売茶翁の『売茶翁偈語』、上田秋成の『清風瑣言』、田能村竹田と頼山陽、山内容堂と松平春嶽などの漢詩、夏目漱石の『草枕』などを扱う予定です。
↓
2. マイページもしくはクラスルームからアーカイブにアクセス
↓
3. クラスルームから資料にアクセス
このように日本に住む者にとって身近な存在のお茶ですが、その歴史についてしっかりと知っているという方はそれほど多くいないように思います。
例えば、栄西とか、千利休といったような喫茶文化にまつわる歴史上の人物の名前を耳にしたことはあるかと思います。しかし、実際に彼らは何をしたのでしょうか。あるいは、茶の湯で喫される抹茶ではなく、急須を用いて淹れる煎茶はいつ頃から飲まれるようになったのでしょうか。また、煎茶はどのような人に嗜まれていたのでしょうか。あるいは、歴史に名が残っているような有名な人物ではなく、庶民はいつ頃からお茶を飲むようになったのでしょうか。
確かに、これらのお茶にまつわる知識は、インターネットで検索したり、日本文化に関する概説書をひもとけば、ある程度は得ることができます。ただし、それらには、近年の茶文化研究の成果がいまだ十分に反映されているとは言えません。
例えば、以前は、栄西が抹茶を中国よりもたらしたと言われていました。しかし、現在はそのようには考えられていません。あるいは、利休の師は武野紹鴎という人物であると考えられていましたが、いまはそのようには考えられていません。他にも、「わび」や「和敬清寂」などが、ときに利休が唱えた言葉として紹介されてきました。しかし、そのような事実はありません。
この講座では、茶文化研究の成果を参照しつつ、いま現在も書き換えられ続けられている、新しい日本喫茶文化史の全体像を把握することを目指したいと思います。
まず「茶の湯編」と題しまして、茶の湯の前史からお話しします。そして、その起こり、利休などによる成立、そしてその後の伝承まで、順を追ってお話しします。続く「煎茶編」では、近世からはじまる煎茶文化について、高遊外売茶翁という人物を中心にお話しします。売茶翁は、その名前すら聞いたことがないという方のほうが多いかと思いますが、煎茶文化を理解するうえで欠かせない人物です。
またこの講座では、茶文化の堅実な知識を獲得するために、授業では歴史的文献も扱います。文献は古文や漢詩文ですが、都度、現代語訳を提示しますし、もちろん、その文献が書かれた歴史的背景などについてもお話ししますので、古文や漢詩文に馴染みのない方、茶文化についてこれから学んでいきたいという方も理解していただけるようにいたします。取り上げる文献は、「茶の湯編」では、栄西の『喫茶養生記』、『山上宗二記』と利休の茶会記、織田信長と豊臣秀吉の茶会記、井伊直弼の『茶湯一会集』、高橋箒庵の『おらが茶の湯』などを予定しています。「煎茶編」では、高遊外売茶翁の『売茶翁偈語』、上田秋成の『清風瑣言』、田能村竹田と頼山陽、山内容堂と松平春嶽などの漢詩、夏目漱石の『草枕』などを扱う予定です。
※全体像をつかむために「茶の湯編」と「煎茶編」をあわせて受講いただくことをお勧めします。
※受講者はアーカイブ(録画)の視聴が可能です。一部の回に参加のご都合がつかない場合も、見逃しなく受講できます。
※アーカイブの視聴可能期間は、講座終了から1年間です。
◆受講の流れ
1. お申し込み↓
2. マイページもしくはクラスルームからアーカイブにアクセス
↓
3. クラスルームから資料にアクセス
◦アーカイブはお申し込み時に自動送信されるメールや本ページ下部の「授業スケジュール」からもご覧いただけます。
◦GoogleクラスルームはGoogle社が提供する学習管理アプリケーションです。クラスルームにつきましては、受講決定時に送られるメール(「Googleクラスルームにご参加ください」)をご確認下さい。資料はGoogleクラスルームにて公開しております。
授業予定
第1回 1月19日(金)19:00〜20:30
第2回 2月2日(金)19:00〜20:30
第3回 2月16日(金)19:00〜20:30
第4回 3月1日(金)19:00〜20:30
第5回 3月15日(金)19:00〜20:30
茶の湯の成立まで
第2回 2月2日(金)19:00〜20:30
千利休の茶会
第3回 2月16日(金)19:00〜20:30
戦国時代の大名と茶の湯
第4回 3月1日(金)19:00〜20:30
江戸時代の大名と茶の湯
第5回 3月15日(金)19:00〜20:30
数寄者と茶の湯
※ 授業の進捗等により予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
こんな人におすすめ
日本の喫茶文化について知りたい人。
喫茶に関する文献を読んでみたい人。
喫茶に関する文献を読んでみたい人。
講師情報
授業スケジュール
2024年01月19日 19:00 〜 20:30
第1回 茶の湯の成立まで
2024年02月02日 19:00 〜 20:30
第2回 千利休の茶会
2024年02月16日 19:00 〜 20:30
第3回 戦国時代の大名と茶の湯
2024年03月01日 19:00 〜 20:30
第4回 江戸時代の大名と茶の湯
2024年03月15日 19:00 〜 20:30
第5回 数寄者と茶の湯
日本の喫茶文化を知る——歴史的文献の読解を交えて(茶の湯編)
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